- 2023年02月13日
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- コラム
僧侶、お坊さん、副業!
寺院衰退、過疎地域にある人口減少、その地域の寺院のお話は、コロナにより一気に都市部の寺院まで衰退の波が押し寄せているのではないでしょうか?
お参りや法事の急減
過去の減少スペースとは比較にならない勢いで落ち込み、回復の見込みはない。
こうした状況下で、寺院に所属し働いている僧侶、役僧は何を行うべきか?
所見を述べたいと思います。
執筆日2023年4月23日
加筆日2023年5月25日
自己紹介
16歳で高野山に上がり出家し21年。
小坊主から修行し僧侶として17年目。
2016年にペットの葬祭業を個人事業主で立ち上げ、2020年に法人化。
お坊さん兼会社の代表として二足の草鞋を履きながら累計4400件以上のペット火葬に従事。
2021年に合同ペット霊園を開設。
2022年にペット棺の特許を取得。
2023年6月 ペット棺の発売開始予定
在家出身で5年ほど役僧としても努めた時期もあり、色々な縁で経験をした私が意見を述べたいと思います。
困難な時代
在家出身のお坊さん、お寺の継ぐ宛ての無い次男、三男のお坊さん。経営が苦しいお寺のご住職。
役僧として働き、勤めていても努め先の寺院でお参り、法事が減少しているのではないでしょうか?
努め先の寺院も回復の手段や見込みがない。
仏事がコロナにより一気に断ち切られた。
コロナを口実に、お参りを断る事が出来るようになったとも言えます。
奥様がご自宅にいた時代は遙か昔。
多くが共働き世代であり、 毎月、毎月、月命日になど家でお待ちしてお寺さんにご供養して貰う。
これが、現代では難しいのが実情ではないでしょうか。
こうした時代の変化、檀家さんの生活の変化の中で減り続ける月参り、法事、仏事。
仕事が減る中で生じるのは、役僧の解雇や賃金の引き下げといった厳しい現実です。
仏教にご縁があり在家出身として出家しながらも、宗教活動どころか生活する場がもはや皆無。
一昔前のような、空き寺や婿養子として寺に入るまで下積みとして役僧を勤めながら住職を迎えられる事やマンション坊主として葬儀屋の下請けとして安定した収入を得ながら宗教実績を作り、宗教法人を一から立ち上げる事はもはや夢物語。現在では、非常に困難な時代です。
活路となりそうな事業を幾つか提案します。
1、ペット葬祭事業
こうした中で、最後の活動の場がペットちゃんの葬祭事業かも知れません。
ペットの葬祭業への注目が集まり参入される寺院も関西では出始めました。
ただ、5年前、10年前ならまだ良かったのですが、ペット葬祭業界は既に飽和しており競争の激しいレッドオーシャンとなっております。
特に、資本金1,000万前後で開業し易い移動火葬車を用いたペット葬儀社は乱立しております。
しかし、寺院内にペット斎場や合同ペット霊園、供養墓の設置は支えてくれる檀家さんから大きな反発を招く危険性も高い状況です。
生半可な覚悟では、借金を背負い檀家からの反発しか残らず撤退と言う恐ろしい現実が待っています。
言い換えれば、本気で取り組みペット供養も長期的にそれこそ一生やり遂げる覚悟があるならば需要はあります。
特にペット霊園、お骨をお守する霊園の保持は一般の葬儀社より寺院の方が安心できると需要は高いです。
同じ命としてペット供養への熱意や意欲、労力があったとしても挑戦する環境が大変厳しいレッドオーシャンです。
集客の失敗して経験を積み、次に活かす。
こうした試行錯誤ができる余地がもはやありません。
豊富な資金があれば、失敗しても立て直す機会はあります。
私も数多く失敗しました。
幸運な事に、立て直せる余地が残され今に至ります。
しかし、資金が無ければ1つの失敗が致命的な破綻に繋がるのが昨今の状況です。
ここをどう乗り越えて行くのか、安定し生き残って行くのか?
ペット葬祭事業、ペット霊園事業、そして寺院を守り保つには。
私の答えは、ペット葬祭事業が成り立てば、ペット霊園事業も成り立ちます。
また役僧と限られた賃金でなく、本当に寺院を守っていける余剰資金も生まれます。
その余剰資金を元に、檀家さんが減少した分の修繕積立金を他の檀家さんの負担を増やす事無く賄う事も出来る。
その答え、提案が
「大阪ペット葬祭・光堂のフランチャイズに加盟する」
これが1つの応えです。
全国47都道府県、50エリア。(空き48エリア)
人口規模で、一県一エリア。
一県3エリアと差違はありますが、生き残る、安定した運営が可能になるノウハウはあります。
ペット火葬から、ペット霊園へ、そして、それをご縁に寺院を知って貰う事も出来る。
逆に言えば、48エリアが埋まってしまえば後からお願いされてもどうしようもありません。
コンビニの飽和でフランチャイズ加盟店がバタバタと共食いするような、加盟店を乱立させる気もありません。
少子高齢化が今後ますます進んで行きます。
市場規模は必ず縮小する。
だったら、縮小していく事を見越して1つ1つのエリアを大きく確保して設計すれば、10年後、15年後と市場規模が縮小しても充分やっていける市場は残ります。
ペット火葬事業に興味がある方は、こちらをご覧下さい。
2,物販
お寺と言う敷地、お寺をずっと空ける事はできませんが自由な時間もあります。
これを活かし、物販を副業とするのも1つの手ではないでしょうか。
ただ、運営するにあたり専門的な知識か、知識が無ければ外部に委託する資金が必要になります。
ご自身でECサイトを立ち上げるか、ウェブ制作会社に依頼する資金。
商品を綺麗に撮影する技術や、カメラや照明などの資材の準備資金。
商材の仕入れ。
減ったとは言え、依頼がある仏事をしっかり対応しながら空いた時間は物販ビジネスで収益を得ていく。
物販1つで商売される方に比べ、荷物を置ける敷地や撮影できるスペースも用意し易く、すでに生活費などは寺院を預かる中で得ているならば大きな利点になります。
物販1つで商売されている方は、生活費や保管場所に必要になる訳です。
その分、安く販売する事も寺院と兼業する事で可能にもなる。
外へお勤めに出て、仏事の為に有給を取る事が難しくなっている昨今。
お寺の中で、出来る仕事を探していく。
これも1つの手段ではないでしょうか?
3,不動産、駐車場経営
駐車場、アパートの管理とある程度の資産があるならば土地やアパートなどを運営して行く事も安定した寺院の維持に繋がるかと思います。
実際、こういった不動産収益で維持している寺院は実は少なくないではないかと考えています。
地価が高く、人の出入りが激しい都市部では檀家システムが実質崩壊している所もあります。
こういった不動産の収益でしか安定した運営が早々に出来なくなった寺院は都市部ほど多いのかも知れません。
4、その他
ウェブデザイナー、プログラマー、士業。
若い間に、こういった在宅でできる仕事、業務の専門知識を身につける為に働きに出て、寺院に戻っては仏事と副業としてやって行く。
お寺の中で出来そうな仕事を自分で作り、仕事を獲得して行く事を覚えないと駄目な時代かも知れません。
土日、休みの士業の資格を取るなど。
税理士や司法書士、行政書士とこういった資格があれば、遺産相続と込み入った相談も心に寄り添う対応も実務も含めて対応できます。
お寺さん、お坊さんが兼業でやっていると言う事が、別の面では安心感に繋がる事は実は多々あります。
二足、三足、四足、履ける草鞋があるなら履けば良いと思う訳です。
5、在家出身者の場合
食べて行く為なのか、それとも寺院の創建を目指す為なのか。
食べて行く為なら、還俗して一般の職業で就職するのも答えではないでしょうか。
努めて働きながら自身の信仰の道を歩む。
どうしても、1つの宗教法人の設立を目指したいと言うのであれば
ペット葬祭事業もまた1つの答えになるかも知れません。
全身全霊を賭けてペット葬祭事業に取り込めば、寺院の新設の道も見えてきます。
ペットちゃんを送るご家族様は、やはり安心して託せる人と供養する場所を求めています。
お別れに立ち会い、場所を提供すれば多くの方を手助けする事にも繋がります。
商売として、ペット葬祭事業を行われている方は、お別れはお手伝い出来てもペット霊園と生涯に渡ってご供養する事を躊躇われている方が殆どです。
その点、お坊さん、僧侶であれば抵抗感は少ないのではないでしょうか?
既に、マンション坊主と葬儀社さんと提携して寺院の新設する道が殆ど閉ざされています。
寺院の立場が強く、大きな葬儀屋さんは別にして中小の葬儀屋さんを相手にしていなかった時代、すぐに駆けつけてくれるお坊さんが少なかった昔。
その当時だからこそ、在家出身で僧侶として活動されている方でも需要があり宗教行為の実績を積み上げ宗教法人の新設が出来た。
今は、葬儀屋さんの力は強く寺院の立場が弱くお願いに伺う立場です。
更に立場の弱い在家出身者の僧侶は新しい分野に挑戦するしかない。
宝くじに当たるなど資金的に大きな余裕があるなら葬儀社を立ち上げて、目指す道もあります。
ただ、葬儀業界も競争は苛烈であり、葬儀社もどんどん生まれそして潰れています。
自己資金300万、個人で借りられる融資額上限目安 1000万
ハイリスクで銀行が融資しない新参の起業家に国の系列機関である日本政策金融公庫が融資する上限金額です。
自己資金の3倍、1000万まで。
これがどんな事業であっても新規で起業する方への最大の評価です。
この借りられる上限の1000万円があっても葬儀屋をやって行くには資金が足りず、開業できたとしてもすぐに経営破綻する事になるでしょう。
命の最後を見守る。宗教的あり、僧侶として関わりが持てる仕事は私が知る中ではペット葬儀社だけです。
僧侶としての道を諦めたくない方は、こういった活躍の場があり、お坊さんがペットちゃんのご供養に携わる事を喜んでくれるご遺族様がいる事を知って頂ければかと思います。
あとがき
各宗派の総本山は、健在です。そして、総本山のお偉方、出身の大寺も余裕がある。各宗派どこもそうでしょうが、同じ寺院でも危機感、危機意識の差に大きな差があります。
各宗派の総本山と権威がまだある中で、本山直営の葬儀会社を作ってお坊さん兼葬儀スタッフと僧侶として道を歩みながら現実的に働き口に困り、還俗するしかない人員を配置すれば僧侶の働き場でありながら、僧侶として研磨の場が同時に得られる貴重であり、大事な場になると思うのですが、そういった挑戦、改革はどこのお偉方も腰が重いですね。
権限、責任がある立場の方が何もしないと衰退する未来しかありません。
「本山栄えて末寺滅ぶ。」
現状は、この段階です。
しかし、「末寺の滅んだ先、本山も必ず滅ぶ。」
各宗派の総本山も教えを伝える力を失い観光客向けの寺と命脈を保つしかない未来でなく、宗祖の教えを脈々と伝える本山であって欲しいと思います。
内部の人間なら分りますが、各本山のお偉方が能力あるか否か。
能力のない方が強い影響力を持つ総本山なら、自分で立ち上がり自主救済しない限り本山からの救済、助勢、手助けなんかありません。
働き場がないなら、自分で作りながら僧侶としての道を歩むしかない。
誰にとっても厳しい時代です。
しかし、行動しない限り何も変わりません。
伝統的な建築物であるお寺。
年々、建替え費用や維持費も高額になり続けます。
地道に貯蓄すると言う多くのお寺さんがやってきた手段ではもう間に合わない。
消費税がなかった時代から見ても、現在は10%です。
1億、2億の本堂の建て替えで1000万、2000万と消費税が別途求められます。
今までの王道の寺院運営では間に合わないぐらい税制や社会が急激に変化している訳です。
お寺のイベントで人が集まらない。
一檀家の仏事で集まるのが10人以下。
こうした状況なら立派な本堂はもはや必要なく維持費を抑えるべく小規模な本堂でも良いのではないでしょうか?
浮いた運営資金で、駐車場でも用立てた方が50年後、100年後の寺院存続の為になるんじゃないだろうか。
合理的に考える癖が出来た私は、本当にそう思ってしまいます。
プレハブにご本尊。小さなお堂から始まったように。
原点回帰し、維持費を抑えながら運営資金を増やし再建を目指す。
本堂をプレハブにしたら、激しい反発や批難は間違いないのですが、ただ反発する人達が今まで道理やって行ける運営資金を寄付してくれるかと言えばそうでもない。
何をしても、必ず何かの反発があります。
何もしなければ、何もしないと言われ。
何かすれば、余計な事をするなと言われる。
「どないしろ」っと内心思っているご住職は多いでしょう。
しかし、本当に何もしないとどうなるかは寺院を預かる皆さんがよくご存じかと思います。
コロナにより、危機感を抱いたお寺は動き出しています。
何をするか、誰とするのか、選択肢を見定めて結論を出さなくてはなりません。
その上で、何もしないと決めたのならそれはもう1つの立派な答えかと思います。
ペット葬祭・光堂のSEO対策の一記事とフランチャイズ事業の紹介の面もある記事になりますが、縁があって見られた方の参考になれば幸いです。
走り書きでも、閲覧されている方が少なくなかったので手直ししながら一部加筆修正しました。