- 2022年06月07日
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ペット火葬とマイクロチップ
マイクロチップの義務化
令和4年(2022年)6月1日より犬ちゃん、猫ちゃんのマイクロチップが義務化されました。
ペット火葬の際に、マイクロチップが影響を与えるのかご心配の方も少なくないのではないでしょうか?
ペット火葬の現場ではどういった様子なのか説明したいと思います。
執筆者の紹介
16歳で出家し20年、小坊主から修行し僧侶として16年。2016年にペット葬祭事業を個人事業主として立ち上げ、2020年に法人化。お坊さん兼会社の代表として二足の草鞋を履きながら累計3,000件以上ペット火葬に従事。2022年に自社ペット霊園を開設、僧侶としても日々、修行中。
ペット火葬の際、ご遺骨への影響はあるのか?
A、ペット火葬、ご遺骨への影響は殆どありません。
マイクロチップの主な材質は、金属と生体適合ガラスです。
金属を生体適合ガラスでコーティングして包まれているマイクロチップ。
一般的なガラスの融解温度が1200℃~1400℃です。
ペット火葬の現場で、火葬の際の温度は900℃~1000℃です。
ですので、まずガラスを溶かして影響を与える温度まで達しない訳です。
ただ、例外も二つあります!
一つ目は、メタボなペットちゃんや大型犬の場合です。
体内の脂肪分により1200℃~1300℃ぐらいまで高温になる場合があります。
自燃(じねん)と言い火を落としていても酸素との反応により高温で燃える状態です。
この場合、ガラスを溶かす可能性はあります。
二つ目は、マイクロチップが破損していた場合
ガラスでコーティングされている訳ですが、何かの原因で破損した場合は内部に使われている金属による影響が生じる可能性があります。
ペットちゃん用のマイクロチップ内部に使われる金属の種類がわからないのでどの程度の影響が生じるかはわかりません。
ペット火葬によるマイクロチップの影響は殆どない
ペットちゃんにマイクロチップが設置される部分ですが、身体の中心ではなく体表に近い部分となります。
火葬の順番としては、体表から中心に火葬が進む為に体表に近いマイクロチップは剥落して落ちている事でしょう。
今まで、マイクロチップを埋め込んだペットちゃんの火葬を何度もしておりますがお骨に影響を与えた様子はなく米粒のような黒くなったマイクロチップが落ちている事が殆どでした。
最後に
マイクロチップの義務化、ペットちゃんへの想いから賛否が色々あるかと思います。火葬への影響、遺骨への影響を考え亡くなったペットちゃんからマイクロチップを取り外す事をお考えのご遺族様へ参考になればと思います。
執筆2022年6月6日