- 2025年03月29日
-
- 新着情報
- コラム
訪問・出張ペット火葬・完全攻略ガイド【25年9月更新】
執筆者の紹介
16歳で出家し23年、小坊主から修行し僧侶として19年。2016年にペット葬祭事業を個人事業主として立ち上げ、2020年に法人化。お坊さん兼会社の代表として二足の草鞋を履きながら累計9,000件以上のペット火葬に従事。2021年に自社ペット霊園を開設。2022年 ペット棺の特許を取得。2023年に保冷・冷却・火葬用のペット棺を商品化。また、「価格を抑えて最大限のサービスを」「料金表とサービスを公表し安心できるペット葬儀社を」二つを目標に全国で活動すべく「ペット葬祭ハナミズキ」を立ち上げました。現在、大阪、兵庫、奈良、広島、北海道、徳島、愛知、香川、三重、茨城、静岡、福岡、大分、千葉と15道府県、25エリアで活動してます。僧侶としても日々、修行中。
執筆日2025年3月25日
加筆日2025年9月1日
完成している事業構造
移動火葬車を用いてペット葬祭事業。私が開業した当初は未完成な面も多分にありました。
あれから9年、2025年の現在、事業構造としてはほぼ答えが出ています。
9年間の推移
〇 移動火葬車を主体とするペット葬儀社が増えた事
〇 社会的な認知の向上
〇 そして、お客様、ご利用者様が求めるサービス内容がほぼ決まってきた事
ペット葬儀社が増え、色々なサービスが世の中に提案されて来ました。
そして、その多種多様なサービスと価格の提案。
その中で、多くのご利用者様が選ぶサービスの形がほぼ明確になった訳です。
多くのご利用者様が選ぶサービス・価格を提供できるペット葬儀社以外は生き残れずサービスと共に消えて行きました。
消去法で、正解が明確になったのが現在です。
今後、また特別なサービスを新興のペット葬儀社により提案されるかも知れません。
しかし、大多数のお客様が望むサービスでなければ需要が確保できません。
売上がない、事業継続ができない。
大多数のお客様が望むサービスを提供して、支持を獲得できないペット葬儀社はどうあがいても事業存続できません。
素晴らしいサービスかも知れません。ただ、一部のお客様だけのご利用では事業が継続できる売上まで届かない。
多くの人へ、知って貰えればいいのではないか?
高騰している広告宣伝費がこれを阻みます。
この高騰している広告宣伝費を支払ってサービスを広めて提供しても、価格が高ければ利用者は減り、価格が安ければ収益が残らない。
仮にどんなに素晴らしい新しいサービスであっても結果として、多くの方に知って貰う前に資金が無くなってしまう。
これが現実です。
提供すべきサービスは、明確化している。
後は、そのサービスをいかに価格を抑えながら実現し提供して行けるのか。
ペット葬儀社として、自社が維持・存続・成長する為にどう収益を確保するか。
運用面でもほぼ最適な業務運用の答えは出ています。
この答えを知り、運用、実行しているペット葬儀社だけが生き残る権利を与えられる。
これが2025年からの訪問・出張ペット葬儀社の現実です。
答えを知らない、無駄が多い非効率な業務を行うペット葬儀社が淘汰される。
これが避けられない迫りくる現実です。
ただ、これから新規創業を目指す方、現在、全国各地でペット葬儀社を運営されている方は納得できないかと思います。
一つづつ回答して行きたいと思います。
2つの課題
ペット火葬業界だけではありませんが、すべての商売、ビジネスでの宿命ともいえる課題は2つ
「集客」と「業務効率の最大化」
安定した集客
「集客」より具体的に言えば「安定した集客」の実現
まず知って貰わないと始まりません。
どんなに志があっても、どんなに優れたサービス、素晴らしいサービスがあっても知って貰わなければご利用者様、お客様の選択肢に入らない。
特に、ペット葬祭事業。
最愛のペットを亡くされたご家族様は、心の余裕、時間の余裕がありません。
例えば、家電を買う時はスペック、価格見積もり、利用者の声とゆっくり見定める事が出来ます。商品・サービス自体が良ければお客様に見つけて貰える状況です。
ただ、ペット葬祭事業は時間的な制約があります。
特に夏場は、ご遺体が急激に傷んでしまう。
最愛のペットの死、そしてご遺体の腐敗。この状況下では、じっくり良いサービスを提供するペット葬儀社を探す心の余裕、時間の余裕がある方は殆ど居ません。
目につくところに、まず自社を知って貰わなければ。
より具体的に言えば、「ペット火葬 大阪」などペット火葬をお考えの方が検索する重要ワードで1ページ以内。
ここに表示されないとほとんどの方は、数社も探しません。
理想は3社以内
冬場は、ご遺体の傷みがゆっくりであり時間的な猶予があるので2ページ目以降も探される方はいますが、基本1ページ以内 「市のペット火葬についての広報」を除けば多くて6~7社しか紹介されない状態です。
年間1000件を目指すなら上位3位内を目指す。
現在は、相見積もりが多いです。検索結果1位~3位までは目を通す方が多いです。
1位でなくても、3位以内が目指すべき順位です。
集客コスト
検索結果で集客できなければ、グーグル広告を出して集客するしかお客様に知って貰う方法はありません。
動物病院への営業、チラシの投函。アナログな手法も確かにあります。
しかし、速攻性がありません。
3カ月後、6カ月後と先の話になります。
そして、同じように営業しているペット葬儀社もあり、古くから動物病院とお付き合いしている関係性もある。
ここに新規で参入する、割り込む難しさとコネクション、人間関係、新規営業と別の問題が発生します。
現在、無名で新規で立ち上げる移動火葬車を主体とするペット葬儀社は、グーグルに広告を出すしか手段はありません。
そして1件の成約を獲得する費用は
安くて5,000円未満
普通で10,000円未満
高騰している地域では10,000円を優に超えています。
〇お金が掛からない検索結果による集客の確立は難しい。
〇グーグル広告への出向は大きな広告宣伝費が掛かり続ける。
この2つを取り組まないと集客・安定した集客の実現は出来ません。
業務効率の最大化を決める2つの要素
業務効率を最大化する為には、2つの重要な要素があります
1、提供するサービスと価格帯
仮にペット火葬の費用が3万円とした場合
その金額を支払える方は、なかなか居ません。
結果として、広範囲へ広報する
広告を出して集客を行わなければ依頼がない訳です。
一方、ペット火葬の費用が1万5000円とした場合
多くの方が支払える金額です。
狭い範囲での集客が可能になります。
1日の対応できる上限の件数が4件なら同じ件数を獲得しようとした場合。
狭いエリアで4件が成立
県内もしくは周辺の県も含めて広範囲で集客をかける必要がある3万円の価格。
サービス、提供する価格により最初から運営の仕方が変わってしまうのは何となくイメージできるでしょうか?。
2、導入する移動火葬車の耐用件数
他、大きな要素が移動火葬車の導入から廃車に至るまでの耐用件数です。
600万円
700万円
800万円
多くのペット葬儀社は、導入する移動火葬車の価格を下げよう下げようとします。
火葬炉を制作する手間は、どのメーカーもそう大差ありません。
灯油バーナーは、大手メーカーがあり共通してそちらのバーナーを採用しています。温度計、炉材もそう。基本の材料は大手製造メーカーの商品を組み合わせて火葬炉は組み立てられています。
価格が安い、高いの差はなにか?
火葬炉の炉を構成する炉材の質が大きく関係しています。
安い火葬炉は炉材のグレードが低い。
高い火葬炉は炉材のグレードが高い。
また炉を構成する際に、築炉士と国家資格者に依頼しているメーカーと資格を持たないスタッフで自社制作している会社もあります。
火葬炉の問題だけでなく、搭載する車体。
新車なのか、中古車体なのか。
新車であれば、6年間10万キロまでメーカー保証があります。
何より3000㎞前後で定期的にこまめにオイル交換をして大事に運用もできる。
中古車の場合、前オーナーがどの程度の頻度でオイル交換をしていたのか不明です。
5000㎞なのか、10000㎞なのか。
重量物を積む移動火葬車はエンジンに負担が掛かる車両です。
メンテナンス状態が悪い中古車で初めて、後から小まめにオイル交換してもすでに傷んでいるエンジンであれば必ずトラブルが発生します。
時限爆弾を抱えて運用する。
中古の車体、安い火葬炉は二つのリスクを抱えて運用している訳です。
車体の問題か、火葬炉の問題か。
結果として、最初に導入した移動火葬車で廃車までの上限件数は決まります。
廃車まで5000件が限界なのか。
廃車まで10000件を超える運用が可能なのか。
廃車まで15000件を目指せる運用が可能なのか。
新車であり、良い火葬炉を採用した方が導入コストは高くてもランニングコスト、そして廃車までのトータル運用コストが安く、廃車に至るまでの生産性も高い訳です。
1件に掛かる諸経費を圧縮できる
生き残れる事業はシンプルである
平均単価 × 1日の件数【集客数】 = 1日の売上
1日の売上 − 運用コスト − 広告宣伝費 = 純利益
1日の純利益 × 30日 = 月の純利益
1日の純利益 ×365日 = 年の純利益
平均単価が2万円超えても、運用コスト、広告宣伝費が重ければ純利益はわずかです。
平均単価が16,000円でも運用コストを最大限効率化、広告宣伝費「0円」なら純利益はしっかり残る。
お金をかけない集客が出来れば、移動火葬車選びで失敗してもまだ何とかなります。
移動火葬車選びで正解しても、集客が出来なければ苦しい経営です。
移動火葬車選びでも失敗、集客も出来なければ廃業、倒産、自己破産です。
大事なのは手残り、純利益ですが見てくれの平均単価に執着してご苦労されている方が多いのがこの業界です。
件数至上主義、1000円でも利があるならスタッフや加盟店を酷使するオーナー、運営本部。
現場を知らない、集客を知らない。
そして、疲労困憊したスタッフは離職する。
どうしようもないスタッフが残り、事業崩壊が始まるなど色々見てきました。
結局は、仕組みです。
勝つも負けるも、生き残る、廃業、自己破産も仕組みが全てを決めます。
根幹の事業設計で最初から無理な事業設計ではどう人間力と個人の力量であったり、体力、精神力で補い足掻いても無理と言う話です。
大阪一の安心価格です。それでも移動火葬車は800万を超える最新型を導入しています。
一番低い金額はジャンガリアンハムスターちゃん ご返骨・7500円です。
同じジャンガリアンハムスターちゃんでも、13,000円、15,000円
その金額を請求するペット葬儀社の移動火葬車は500万から600万円。
軽バンであったり、中古の古い車体であったりします。
お客様の立場からして、誠心誠意とは何でしょうか?
どちらのペット葬儀社の方が、真剣に最善を尽くしていると感じますか?
安い移動火葬車で、高単価を目指す。
価格の正当性は人間力?人柄?
ウェブサイトで何を宣伝してもお客様は、導入している移動火葬車をしっかり見ています。
低価格であろうが最善を尽くす他ない。
一昔前なら、ペット葬儀社も少なかったので大目に見て貰えていました。
今、お客様はしっかり見ています。
800万円を超える移動火葬車を導入したのも、業務効率が著しく改善する。
大阪で運用した場合、導入から廃車までのトータルコストが大きく改善しているからです。
買い替える前の車両は大型犬まで対応する中型車でした。
大阪では、近年急激に大型犬、中型犬の飼育数が減っています。
現在は、大型犬、中型犬も多い姫路で前の車両は活躍しています。
ランニングコストを優先して最新型を導入しました。
ペット葬祭ハナミズキと全国展開を目指す中で、身銭を切って最新型の検証を自社で行う為でもありました。
色々、導入の理由はありますがそれでもお客様の満足度は高い。
600万円の移動火葬車、800万円の移動火葬車。
200万円の差で、お客様の満足度が上がるならこれはめちゃくちゃ安い買い物です。
この感覚がわかる方は、生き残れる余地はありますがわからない方は参入しない、さっさと撤退した方がご自身の為かなと思います。
まとめ
25年1月 月の最高件数は111件でした。
その月、過労で発熱し1日寝込みました。
25年4月 1日6件が三日続きました。
1日4件とゆったりと業務を回していますが、リピーター様からどうしても遅い時間でも良いのでお願いしますとのご相談に対応した偶然が重なった結果です。
やはり、過労で今度は唇にヘルペスが出来ました。
私が知る限り最高性能の移動火葬車を使って、最大効率の業務運用でも150件、200件と月に対応する事は出来ません。
9年間9,000件業務を取り組みながら改善し続けた全国でもトップクラスに高い業務効率でも移動火葬車1台 スタッフ1人での限界値がある。
個人的な話になりますが、私は現在独身ですので家族との時間の確保も必要ないお1人様です。休みなく1年365日 仕事があれば働けるタイプです。
お盆も、お正月、元旦も気にせず依頼があれば1月1日より平常通り働いています。
仕事、仕事、仕事、労働を苦にしないタイプですが、それでも1日4件 月100件が身体を壊さない限界値かなと思います。
家族がいる方は、1日2~3件 月 70件~80件 年間840件~960件ぐらいが頑張って対応できる件数の上限ではないでしょうか。
正直、このラインでも家族との時間は削る事になります。
家族との時間をしっかり確保して 月50件~60件 年間600件~720件
年商1000万円を超えるか、超えないか。消費税の納税のライン問題も出てきます。
そして、移動火葬車の性能が劣り、業務効率が悪ければ更に限界値はどんどん下がります。
沢山の依頼が集まれば、バリバリ働けると夢を見ている方は少なくないのですがそもそもたくさんの依頼の獲得も至難の業ですし、依頼を獲得できても上限が月100件程度です。
そんな件数しか対応できないのかと思うかも知れませんが、現実に件数をバリバリ対応して来た39歳 私の実例です。
最初は、みな気合とやる気、借金して開業とドーパミンが出ているので無理も無茶も利きます。
ただ、落ち着いてくると現実の業務負担が襲ってくる。
手堅く、長く、長期に安定した活動、収益を獲得する。
華々しさも何もなく極めて地味、実直であり、一件、一件目の前のお客様を丁寧に対応し続けるだけ。
ペット火葬業界に、高単価、楽して儲かる。そんな夢はありません。
どこまでいっても現実のみ。地味、実直とコツコツと取り組むだけの日々。
軌道に乗れば、安定した業務と日常が続くので、コツコツ真面目に取り組める人ほど将来性がある事業かと思います。